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2007.01.24

遊びの生み出す技術と知性

IDR のブログという位置づけでエスキューブド (以下、S3^ ) のコラムを執筆するにあたり、僕は何を最初に書こうかと随分長い時間逡巡した。というのも、この会社のこれから創り出そうとしている価値が、途方も無い領域に拡がりそうだという事が僕に大きなプレッシャーとなって圧し掛かってきていたからだ。

しかし、これを「楽しむ」という視点を得たことによって猛然と書きたくなってきた。全てを網羅したオブジェクトの魅力が薄れるように、散漫な内容は読者の心に残らないことを顧慮して敢えて部分からの表現を試みようと思う。

ヨハン・ホイジンガーという 19世紀生まれのオランダの歴史学者の大著「ホモ・ルーデンス」の中に、「・・・オランダ語の aardighieit(アールデイヒエイト 面白さ)の arrd は、ドイツ語の Art に対応し、あり方とか、本質と、天性という意味である。面白さとは本質的なものだということだ。」という一節がある。ホイジンガーはご存知のとおり「ホモ・サピエンス(知恵のある人)」「ホモ・ファベル(作る人)」に対して、人類の本質を「ホモ・ルーデンス(遊ぶ人)」だと提唱した人である。

Art は英語では芸術・技術を指し、やはり質に関わる言葉である。

人の惹起する全ての現象には、必ず何らかの「本質」がある。そこに形を与えるのが「デザイン」であり、必要な道具が「芸術レヴェルの技術」と「知性」であると考える。

例えば、ある組織の情報を共有できるようにしたいというリクエストがあり、開発者がシステム設計を行う。「情報共有する」という言葉だけをリクエストだと捉えれば「情報符号」だけが飛び交うシステムが出来上がってしまうだろう。また、カッコイイ “こんな” Webサイトを作って欲しいというリクエストも、その背景にある組織のメッセージや本質が伝わらなければ意味を失う。同様に、「企業理念を表現する組織」へのコンサルティングも、メンバーの本質が表現されなければ、無価値に等しい。

S3^ は人の関わる「システム・Web・組織」を中心に「デザイン」していこうと決意している。

その本質を徹底的に意見交換し、議論し、およそ考え得る限りの思考を尽くす。ここに一切の妥協はないのだ。なぜなら、S3^ はこの一連の作業を「面白い」と考えて、「最高の遊戯」であると捉えているメンバーでのみ構成される組織だからである。

お客様へのサービスは、最適化によって生み出されるだけではなく、価値の最大化を「楽しみながら、面白がって」提供していきたい。なぜなら、芸術領域に達した技術や知性には美質が備わり、これを生み出すメンバーは「遊び」の価値を理解していなければならないからだ。

美しいデザインが Art を楽しむメンバーによって創られる。それが S3^ なのである。

次号からは、S3^ のサービス提供できる具体的な領域に踏み込んでみようと思う。

posted by idr at 09:42

Profile

和田晃一
株式会社エスキューブド
執行役員
1970生まれ
1994NTT入社。附帯事業部門を中心に勤務
2004教育研修会社grownaviを設立。企業研修の企画設計、講師などを務める
2006エスキューブドに参加。コミットしている担当業務は「読書」